人を呼ぶとき、‘クンとさん’などを見事に使い分けるヤツをわたくしは、ほんのちょっぴり信用しない。
その種の方々は、無意識にせよ先輩後輩を、あるいは権力への意志を明確にもってている証拠だと思う。肩書き重視の人、、つまり差別的人種なのかも・・・?
右翼的軍国主義的傾向人種の様な気もする。オーバーに言えばファッショ的。
もしかしたらオレもそのようなところを内在しているのかもしれない。  

あるとき、かなり昔の話だけれど、ある女子プロがわたくしのところに来て言うには 「すみさん、わたしいままでいじめられる側だったけれど、ここにきてようやくいじめる側になれました。」とのたもうた。
ある男子プロの、わたくしの目の前でのやりとりだ。「オイ、おまえ何期生? そうかオレ○期生、オレの靴のひも結べや」  
プロテストの風景を目撃したり、体験して腹を立てる人が多い。わたくしもその一人である。いつだったか先輩ずらした役員が、プロテスト受験生をいじめている。
いじめているとしかわたくしには見えない。いやいじめていると言うより威張っているのだろう。  「何だその挨拶の仕方は、もう1度やり直し」「頭の下げ方が足りない」と怒鳴っている。  
テスト中は私語禁止。応援者との交流、コーチングなど禁止。一種異様な雰囲気。楽しさなんぞまるで感じられないし、テストの緊張感と言うより、独特の雰囲気である。わたくしなんぞはいたたまられないね。  

「ボウリングは、だれでも、いつでも、どこででも楽しくなければならない」のだけれど、
テストを含めてJPBAは面白い? 楽しい?   
全くの逆転現象。プロテスト受験生はJPBAにとってはお客様ではないのだろうか?
受験料の収入はJPBAにとって大きな収入源であるはずだ。
何故受験生に頭を下げないのだろうか? 
われわれにとって彼らは大いなるお客様であるはずだ。わたくしだったらお客様には頭を下げますね・・・
プロテストは、ボウリング場で働くための就職試験になりさがっているような気さえした。  

プロテスト受験生はプロボウリングフアンなのだ。そのフアンを大切にする姿勢に欠けているのではないのか? われわれにとって受験生は大切なお客様だ。ファンだ。  
“お客様とは、自分以外の全ての人”である。この精神無くしてファンサービスはあり得ないし、プロボウラーとしてのスタンスにバランスがとれない。  

遅ればせながら、東京はようやく脱却できてきているような気がするが、地方の一部のプロ協会支部は、いまだに親分子分の関係で運営されているところがいくつもあるようである。  「オレがウンと言わねばおまえなんぞ動けなくさせてやる」風(ふう)がまかり通っている。役員などは民主的に選挙で選出されるのではなく、オレがヤル、おまえやれでまかり通る。  これら親分衆は子分には気前よく奢る。親分に誘われて行かないヤツは嫌われて、村八部的な扱いを受ける。  
こんな前時代的な様相をいまだにJPBAの風土として残存しているのは驚きである。

時代的に1番先を行かねばならないスポーツであるボウリングが、いまや1番時代遅れになっている感が強いのだ。  
先輩・後輩はちょっとした社会的マナーのレベルの話。  

JPBAの決まりに、プロになって10年経たないと理事になれないという規定がある。
これはちょっとおかしいのではないか? 
プロライセンスを獲得した次元で、正会員であり、全てイーブンの権利を有するのが原則だと思うのだが、わたくしが間違っているのだろうか?
何十年キャリアの先輩より、今年ライセンスを取得した新人の方がどれだけ協会のことを考え、行く先のあり方を考えているかなんて例もあり得るのだ。 
たとえば吉田樹弐亜であり、高橋正。もっとたくさんの優れた新人がいると思うが、わたくしの知っている優秀な二人は挙げておきたい。  

プロ協会改革を唱えて4年前7名の理事プラス1名のスタッフでスタートしたJPBA。
そのバックには「プロ協会を考える会」があり、500名以上のメンバーがその会にサインをしたはずである。その500名以上のサイン者に現7名の理事はこの4年間なしのつぶてとは、これいかにである。(除く1名)   
中山律子会長は言う。「改革と言っても難しいのよ。」そんなことはわかっています。
でも改革をするために理事に立候補して会長になったんではないのでしょうか? 
来年は役員改選の年、中山会長は再度チャレンジして改革を推し進めてほしいのだが・・・  改革は常に必要なのです。  

ところで今年ももう終わりですね・・・業界にとっても、本山ボウルにとりましても、小郡スーパーボウルにとりましても、そしてわたくし自身にとりましても来年度は再起の年です。
今年もお世話になりました。2010年もよろしくお願いいたします。

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すみ光保

すみ光保(すみみつやす)

■1935年東京都生まれ。株式会社スミ代表取締役。株式会社ジャパンボウリングプロモーション会長。
1967年にライセンスNo.4第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。
主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、VJボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

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