最近わたくしは何でこう怒っているのであろうか? 温厚この上ないこのわたくしが・・・ “へぼせん”様(ボウリング大好き人間ブログ)に言わすとオイラは「吼えている」とのことだけれども、いわれてみると確かにあたしゃー吼えている。怒っている。噛みついている。でっかい声出しゃ周りの他人は振り向くじゃーないか。要するにあたしゃー振り向いてほしいため、注目を浴びたいため、自己の存在をアピールしたいために吼えているのかも知れない。もう後が無い焦りか?人間歳と共に寂しくなるのよ、振り向いてもらいたくなるのよ。てェーわけで今月も吼えてやろう。噛みついてやろう。


「健全なる肉体には健全なる精神が宿る」


格言だかなんだか知らないけれども、ある。あたしゃーこれが大嫌いなのであります。どう考えたって理屈に合わない。何で健全な肉体に健全な精神が宿ると決めつけるんだ。健全な肉体の持ち主で悪者はいくらでもいるし、いまにも死にそうな病人だって最高の精神の持ち主もいる。最後のところに "望ましい" とでも付ければまだ許せる。こうだ「健全なる肉体には健全なる精神が宿ることが望ましい」聞くところによると、これは格言ではなく、遠い昔ギリシャ時代の詩の中の一節だそうであります。つまり西暦60年〜136年ギリシャにユウェリナス(Juvenalis)という詩人がいたそうな。その詩の誤訳とのこと。今月吼えたいのは、古いボウリング理論をいまだに後生大事におっしゃっておいでのセンターやインストラクターのことであります。これをブッ壊したいのであります。曰く,


@初心者はストレートボールから。
せっかく綺麗なフックを投げているのに、「初心者はストレートボウルからがコントロールしやすいのだ」と、無理して直そうとするコーチがまだいるのだ。「親指をまっすぐ12時にセットして、そのまま投球しろ」とのたまう。初心者でバックアップしちゃうと、「いまのは親指が12時8分に過ぎちゃったから駄目よ。」なんて微妙なことを要求。再投球しフックすると、「駄目ヨ、いまのは11時49分になっちゃった。11分足りないよ。」「・・・???」


A球質にはストレート・フック、カーブの3種類ある。
これまた古いね。こんなこというコーチに質問したい。どっからがフックで、どっからがカーブなの? フックとカーブの境目を教えてよ。答えられるかってんだ。明確に投げ分けられる球質は・バックアップ・ストレート・フックの3種類だ。カーブなんて概念はあったとしても使用不可。大きいフックでいいよ。


Bボールは体重の10分の1が適している。
体重が70.5キロ程度のおばさまなんてざらにいるヨ。10分の1だったら7.5キロのボールだ。16ポンドは7.25キログラム。どだい7.5キロのボールなんて無いのであります。ボールの重さは体重ではないのだ、力だ、タイミングだ。初心者のボールの目安を体重の10分の1というのはいい加減止めろよ。これセンターにも多く見られる。


Cスイングは肩のラインに直角に。
最初に驚かされたのはモナチェリだったか?肩はファールラインに平行に、その肩の線に直角にスイングするのだ。なんて教えていたのよ昔われわれは。野球のピッチャーがこれやって投げられるのか?同じなんだよ。むしろ肩をひいた方が自然といえる。さてどうする?名(迷)コーチのあなた。


D鉛筆が1本入る隙間をあけろ。
ハウスボールを握らせるとき、こうぬかすヘボコーチがいまだに多い。この理論は、鉛筆1本の余裕があることにより、サムの抜けやすさを求めるわけ?初心者の傾向はロフティングよりドロッピングにあるのであります。抜けをよくすることを考えることより、落とさないことを考える方がよほど多い。オウナーボールのときも、鉛筆隙間を開けなくも、サムが抜けるようにメジャー出来なけなければ、ドリラーorインストラクターとはいえないよ。


Eアドレスはこうしろとの押しつけ。
ボールは利き腕の前で構える。中央で構えるとバックスイング時に外に出てしまうからと言う。中央に構えてもまっすぐスイングするヤツもいるし、肩前に構えても外に出してしまうスイングのヤツもいる。要するにその人に合ったアドレスに誘導出きるか否かなのであります。


人様ざま、初心者一般で捉えるのでなく。個々で捉えられなければ一流のコーチじゃない。オイらはプロコーチだぜ。安くしとくよ。お声をどうぞ。



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すみ光保

すみ光保(すみみつやす)

■1935年東京都生まれ。株式会社スミ代表取締役。1967年にライセンスNo.4第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。
主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、VJボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

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