「トーナメントプロとインストラクタープロとは似ていて非なる者である」とわたくしは思うのですが、みなさまはいかがお考えでしょうか?
すでに古い話ですが、昨年のボウリングマガジン10月号の「リレーエッセイ」という欄に、現状のプロボウリング協会のインストラクター制度に関しまして問題点を記したところ、プロボウリング協会の反発を食らいました。曰く


■ 協会に対する批判とは何事だ。
■ 発言の真意は何処にあるのか。
■ 2月理事会にて真意を正す。
等々・・・・



ボウリングマガジンでのわたくしの発言要旨を下記に示しますと(以下、TP=トーナメントプロの略。 IP=インストラクタープロの略)

[1]. TPはテストで男子200ピン以上のアベレージをマークしなければならないが、IPは講習さえ受ければ全員合格。 IPとアマとの差は何なのか? TPとの差は? ここを見てもプロじゃない。

[2]. 2級→1級→C級→B級→A級→マスター。 この区分けは一体何か? 各級の違いは経験数のみとはこれいかに? プロとして分けた意味は?

[3]. 2006年11月頃から2級36ゲームでアベレージが男子185ピン、女子175ピンに達すると1級に。1級者は同ゲームで男子200ピン、女子190ピンのアベレージに達するとC級受験資格。資格収得後はティーチングプロとして活動できる、ときた。会費7万。入会金5万。なんだこれは?プロとアマの差は?

[4]. NBCJで行っていた講習と全く同じテキスト、同じ講師、アマと同じプログラムでどうしてプロになるのか?(一昨年まで。今もっとひどい)

[5]. 昨年より3日間の講習が2日間になり、内容もLTBのやり方講習となっているようだが、それがIPか? どこがプロなのか?

[6]. さらにテキストもなく、講師は地区により全て違う。 それでIPが養成できるのか?

[7]. たとえコーチング技術を教えても、教える相手 (お客さま) がいなければどうするのか?

[8]. 連れてきて [セールス] → 教えて [コーチング] → 居つかせて [リーグ] → 生涯顧客とするのがインストラクターの基本ではないのか?

[9]. TP合格者は全員C級受講が研修として義務づけられているが、すり替えではないか? 誤魔化しだ。

[10]. IPとティーチングプロとの違いがわからない。


等々(以上原文のまま)


3年前にプロボウリング協会改革のためにわたくしは、仲間有志と [プロ協会を考える会] をつくりアクションを開始、新しい7名の理事と1名の事務局員を協会に送り込むことに成功した。 しかし、中山律子新会長と何人かの新理事の努力でトーナメント開発には成功しつつも、根っこの部分での改革は現状何一つできていない。特にわたくしの専門分野であるインストラクタープロ部門は、以前と比べ退歩していると言っていい。 プロフェッショナルとは何か? そこが全くわかっていないのでは? TPとIPと一緒くたになっている。 これらを改革するために新理事が選ばれたはずなのに退歩しているとは何事ぞ! と思うのであります。 プロ協会では下記のようなことを言っているようだ。(又聞き&議事録)


■ すみ自身が構築してきた制度にかみつくとは天に唾。
→わたくしは単なる講師であり、構築したのではない。

■ すみ自身が担当できなくなったので現状に嫉妬しているのだ。
→3年前に一生酸素吸入を、と医者に宣告され自ら講師を辞任した。

■ 協会批判で協会の信用を損ねた。(議事録)
→ <私は批判を受けることで成長した(チャーチル)>。 本当のことを言って悪いのか?

■ ボウリングマガジンみたいな公共の雑誌に書くとはとんでもない。
→JPBAマニフェストはガラス張りが公約だったのでは? 表現の自由。

■ インストラクター部会アドバイサーを解任。(議事録)
→初回のみで以後出席の要請はない。

■ インストラクターに制度対し疑問を抱かせる。(議事録)
→わたくしもインストラクターに疑問があるからの発言だ。


上記のような、わたくしに対する反発があるようだが、たとえ批判であったとしても、発言者の頭を直ぐに叩くんでは、ただでさえノンポリ中心の我がJPBAは、ノンポリ比率を高くするだけに終わってしまうよ。 わたくしはあの記事を批判として書いたのではなく正論として書いたつもりだ。 指摘した10項目が本当に改革すべきところか否かを議論したいと思うのであります。 痛いところを突かれると、すり替えて反発する悪い癖が出てきているようなものだ。 残念。 改革には摩擦は付きものだけど・・・・ そう、あの文の狙いのひとつに、騒ぎを起こしたかったというのも確かにあった。 そうでもしなければ改革がいつまで経ってもできずじまいになりそうだから。 そう言う意味では狙いはズバリ当たったのだが・・・・ JPBAの一員として、「自分の意見」を表して悪いわけネーだろう! それをとやかく否定する輩こそ弾劾されるべきなのだ。 インストラクターに執着し、愛すればこそ言いたくもなるってものだ。 オイラ誇りある町のご隠居さんやー。 さて、これからどうすべきなのか? また、改革運動をしなければならないのか? もう面倒になってきた。 テメエがつくったプロ協会との自負があるけれど、ある種絶望だゼ。 しかし明るい絶望だってあると前に書いたけれど、そんなところでこれからも面白がっていこう。


何はともあれ「いまのインストラクタープロはプロにあらず」なのであります。プロと言って良いと思われる氏名を、独断で思いつくままにランダムに挙げてみようか? 以下、自力で<開発→育成→固定→展開>を行える人が前提である。漏れている人がいると思うが、ゴメン、ゴメンだ。


・矢野 金太
・染谷 景一朗
・宮田 哲朗
・杉山 京子
・小野 日出朱
・日坂 義人
・榎田 勝志
・出羽 正和
・結城 竜弥
・中谷 靖雄
・亀井 勝江
・中野 美智子
・園田 浩
・秋元 泉
・高田 誠
・秋元 泉
・永渕 法子
・野村 美枝子
・山本 由美子
・その他、数は少ないけれど何人かはいるだろう。


そうだ! すみ光保を忘れちゃーいけねーや。
オレはプロや、プロインストラクターや。




次ページ:新年所感 リーグについて
すみ光保

すみ光保(すみみつやす)

■1935年東京都生まれ。株式会社スミ代表取締役。1967年にライセンスNo.4第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。
主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、VJボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

BackNumber
このページの先頭へ