20世紀の文明第1主義つまり、近代工業化社会のツケは地球破壊にまでつながってしまった。儲けるためには人の弱みにつけ込んでまで儲ける。その裏には巳の安泰、会社の安泰があり、もう近代工業化社会はとっくに終焉を迎えているにもかかわらず、我々は未だ目覚めていないというのが現実ではないのだろうか?


東京電力のトラブル隠し、日本ハムのすり替え誤魔化し、同森永、三井物産の不正入札問題、丸紅のリベート問題、ユニバーサルスタジオの誤魔化し隠し、三菱重工の欠陥車隠し、ミドリ十字のHIV問題、オレンジ共済の預金私物化、リクルートの株問題、大蔵省、自衛隊漏洩問題、外務省の政治家との癒着、大学入試漏洩、KSD受諾収賄、大学病院のミス医療隠し。数え上げたらキリがない。ボウリング業界も似たようなことをやってきています。お客様の弱みにつけ込んで儲けようといまだにしているきらいが見える。正月料金、お盆料金などもその一つ。お盆、正月のような特殊期間はお客様が増える。儲けどきというわけでこの時とばかり高くする。お客様も刷り込まれていて当たり前と思っている。


しかし考えてみると、お客様は倍増しても、スタッフの数は同じである。であるならばサービスの質は半減する。サービス低下の分、値下げするならともかく値上げするとは。受給と供給の理論をわかっていねえな?オヌシ、と言われそうだが、そんなことわかっているうえで、ヌカシているのであります。リゾートホテルだって休日の前日は高くなるし、海外旅行だって盆や正月は料金倍増である。ボウリングだって同じことよ・・・それも理論でわからなくもない。しかし、優しくないですね・・・人間に、人間に優しくなかった。地球に優しくなかった。今まであまりにも、時代そのものが・・・


本来ボウリングは木と戯れるスポーツ。アプローチで子供が寝ころんだって安心していられるでしょう。プラスチィックのレーンでは不安ではありませんか? カナダのメイプルも、パインもいまや伐採できない。人間がそうさせてしまった。そのツケっていえば仕方がない。自分たちがそうさせてしまったのだから。 幸いなことにスーパーボウル高松はまだウッドレーン、まだ6〜7年は保つでしょう。大切に使いたい。しかし、プラスチックレーンの時代に育ったボウラーは、ウッドレーンではボールにローリングトラックがつく、ボールに傷がついたと文句を言われる御仁がおられる。レーンキャッチに効果を上げるということを知らずに・・・トラックの痕跡で自分のリリースを判断できるということを知らずに・・・。まもなくウッドレーンは貴重になります。みんなで大切にしていきましょう。


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すみ光保

すみ光保(すみみつやす)

■1935年東京都生まれ。株式会社スミ代表取締役。1967年にライセンスNo.4第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。
主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、VJボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

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